上海の消費者はここ数年で一気に「日本人と同じ目線」にまでキャッチアップしました。そして強烈な消費意欲は、より一層日本ブランドに向けられるようになってきました。その富裕層を中心とした購買意欲からも、上海の消費者を相手にしたビジネスには今後も弾みがつきそうです。
しかしながら、「予習」をしない日本人、「復習」もしない日本人経営者があぶり出されます。市場調査もろくにしないで進出する経営者が実に多いと、現地の上海ビジネスの先駆者たちは嘆いています。また「教訓」がまったく生かされていないとの嘆きもあります。
当フォーラムでは、上海における消費者像をより等身大にとらえ、そこへのアプローチを模索するべく、セミナーを2~6月まで以下の通り実施しました。
概 要 2010年を振り返り、2011年の消費動向を展望しました。富裕層と中間所得者層の生活の違いに焦点をあて、所得階層ごとに異なる消費形態の存在、「買い控え」と「旺盛な消費意欲」が並存する現状を、実例を挙げながら紹介。「出せば売れる」と勘違いされるなか、現場のビジネスから浮き彫りにされる課題を追いました。
概 要 女性を中心とした消費動向について、彼女たちが何に興味を示しているのか、どんなものが好みか、どんなものは買わないのか、嗜好傾向について紹介しました。中国人は「似て非なるもの」という言葉の典型です。「日本で売れるから上海でも売れる」という誤認を払拭するために、実例を挙げて解説しました。
概 要 昨今、流行語のように使われている「中国人富裕層」。けれども私たちはその実像を知りません。この回では、長年、富裕層をターゲットに中国でハイエンド・ブランド品販売を経験されてきた中国ファッションビジネス評論家のサダナオコさんをゲストにお迎えし、その実体験から見た「中国人富裕層」の属性や生活スタイル、購買の特徴などについてお話をしていただきました。
ゲストコメンテーター:サダ ナオコさん
(ファッションビジネス評論家)
大学卒業後、イタリア高級紳士服ブランド、エルメネジルド・ゼニアグループの日本法人に入社。本社のリテイルオペレーションを学ぶため、2年間イタリア ミラノで研修。帰国後、東京の第一号フラッグシップショップ開店プロジェクトを担当。その後、中国、香港、台湾地区マーケットのマーケティングマネージャーなどシニアマネジメントとして勤務。中国では、1992年からハイ・エンドブランドマーケット開拓に携わる。2008年大阪にサダオペレーションコンサルティング株式会社を設立しビジネスコンサルタントとして独立。
サダ ナオコさんの「中国のファッションビジネス」を<掲示板>に掲載しました。
ゲストコメンテーター:島田 ともこさん
概 要 「日本人の常識は中国人の初耳」「中国人の意識、文化の違い」「交渉事を成功させるには」「中国人材を育てるには」のテーマに焦点をあて、島田講師の「悲しい失敗」の謎解き話を中心に、姫田小夏のコーディネートにより、参加者からも体験談が紹介され、充実したセミナーとなりました。島田講師は中国人理解のズレが失敗の主因として、「多くの本社の幹部が中国の現場を知らない」と指摘しました。また、西洋人と中国人の意識、文化の違いをイラストで説明し、参加者の中国人理解が深まりました。日本の経営者は「経営者たるオーラを感じさせる人が少ない」というのも残念な実像です。続いて通訳、中国語契約書の取り扱いや、交渉前の事前準備の重要性が強調され、最後に人材育成の秘訣について体験談を交えた報告がありました。
ゲストコメンテーター:島田 ともこさん
ショップアドバイザー。中国歴20年。現在、中国の日系企業で販売店舗全般に関
する業務に従事。店舗設計の図面チェックやディスプレイ(ハード 面)から、
販売員の接客サービス(ソフト面)までをトータルでサポート。日中の文化やメ
ンタリティの違いを重視し、地に足ついた日中ビジネスを展開中。