主要都市の8割が価格上昇、中国の不動産とかけて燃料棒と説く、そのココロは?

                                 姫田小夏

2000年代の上海の不動産事情を振り返ると、「インフレ不動産価格高騰インフレ不動産価格高騰」の図式を繰り返してきたことがわかる。中国政府はそのたびに価格抑制策を発表するが、それがまったく効果を発揮しない。一般市民は「不動産価格、インフレを抑えられない中国政府はどうしょうもない」と呆れ顔だ。

中国がとった改革開放政策は30年を経て識者による批判も集まるところだ。結果として一般市民の生活を苦しめるスパイラル方式となってしまった。いつも一般市民が貧乏クジを引く、これでは何のための国家建設だったのかがわからない。

 

先日、上海の友人H氏と話した。彼は投資家としての一面を持ちながら、冷静に市場をウォッチしており、その視点は大変興味深いものがある。

 

「中国は不動産を投資の対象にしなければ、健全な国になっていたと思います。でも、現実はそれを投機の対象とし、しかも放置してしまった結果がこの通り」

 

H氏はさらに「地方の財政の半分も土地関連の税収に依存している」と加える。確かに、もう少し「不動産への課税」を強化すればマシになるのでないかと思う。今年1月に固定資産税が導入されたが、本来規制しなければならない投機家にとっては痛くもかゆくもない。過去に何十戸、何百戸保有していようが、そこに遡及して課税されない性格のものなのだ。

 

立法する立場にある連中は、自分の首を絞めたくないのだろう、「税制改革」を嫌がっているようだ。H氏は「もっと譲渡益課税に本腰入れろ」と檄を飛ばすが、本来メスを入れなければならないところを「スルー」してしまっているのが現状なのだ。

 

結局2010年は、あれこれと追加策を導入しながらも、「主要都市の住宅価格の8割が上昇」してしまった。

 

H氏はこういう。「福島原発で、燃料棒に水をかけていたのをテレビで見ていて、今の中国を彷彿としてしまった。まさに、根本解決がものすごく難しいんです」

 

中国の不動産価格と掛けて燃料棒と説く、その心は「水をかけているだけ」――

 

福島第一原発の事故、その処理をめぐっては、皮肉なことに中国政府にも「思い当たるフシがある」というわけである。