埼玉県の県立高校生との交流から①

                                 姫田小夏

「いまどきの高校生」が思う、日本人のいいところ、中国人のいいところ

 

私は高校時代、一番必死で勉強した教科は何を隠そう第二外国語の中国語だった。当時、なぜか第二外国語は最も緊張した授業で、生徒への要求も非常に厳しいものがあった。しかし、あの柔らかい頭が吸収した中国語は今に至って私の仕事に大きく影響している。今でも第二外国語を導入する高校は少ないが、鉄は熱いうちに打て、だ。この時期の外国語教育はもっと多くの高校で導入してもいいのではないかと思う。

201111月、埼玉県立和光国際高校にお邪魔して、第二外国語として中国語を勉強する高校生のみなさんと交流する機会を得た。その県立高校で中国語を勉強する79人の生徒にアンケートをお願いした。その3問目の質問というのが「日本人のいいところ、中国人のいいところはどこだと思いますか?」というもので、生徒たちは下記(グラフ)のように答えてくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

そのほかにもこんな回答があった。繊細、向上心がある、おだやか、時間を守る、きれい好き、思慮深い、争いが嫌い、温厚、技術力、明るい、のりがいい、ひかえめ、あいまい、集団主義、道徳的に物事の善悪を考えられる、ルール守る、空気が読める、などなど・・・。他方、「中国人のいいところは?」という質問には上記(グラフ)のような回答があった。

 

そのほかにも、行動力がある、おおざっぱな感じ、にぎやか、文化的、意志が強い、家族を大切にしている、向上心がある、フレンドリー、歌がうまい、挑戦する、厳しい、オールマイティ、温厚、親切、メリハリがある、自由(束縛がない)、親しくなれば情が厚くなる、面倒見がいい、勤勉、教育熱心、などなどの回答があった。

加えもしない、引きもしない、率直に思ったままが反映されている。多くの生徒にとっては、テレビなどの映像や新聞などの報道でしか知り得ない中国人像だろうが、それでもこの見方はいい当てている。正直、彼らの観察の細かさには脱帽した。

「いざとなったら助け合える」は、中国人もこの震災を通して日本人に見習った部分であるし、中国人の「勉強を頑張っている」は、日本人も素直に「すごい」と尊敬できる部分である。中国人のいいところは「意見を率直にいう」ところにあり、また日本人のいいところは「礼儀正しさ」にある。お互い補完できる部分がここだ、ということだ。

 

逆にいえば、これら特徴はメリットではあるが、裏を返せばデメリットでもある。日本の企業が失敗するのも、これが仇となってしまったことは否めない。日本人の形式的な礼儀正しさやまじめさが、ときには中国人にとって窮屈なものであったりする。

「おひとよし」は、まさに相手を容易に信じてしまうところにあり、多くの経営者が「うっかり心を許して」痛い目に遭っている。

「サービス精神旺盛」はまさに日本人の得意技だろう。これは中国ではなかなか育ちにくい文化だけに、日本人のパフォーマンスが大いに期待される。

他方、中国人のいいところは「自分の意見を持って主張できる」「積極的」「勉強頑張ってる」で、まさに今の日本人と好対照を成している。「自分の意見を持って主張できる」とコメントした学生の中には、但し書きとして「良くも悪くも自分を主張する」の書き込みがあった。これら「いいところ」もまた裏を返せば、協調性のなさであったり、社会や個人が勉強以外の価値をなかなか認めたがらないことであったり、という欠点も内包することを示している。

 確かに、中国人と日本人の関係は「水と油」かもしれない。いつまでたってもお互い混じり合うことはできない。だが、これだけ互いのよさや持ち味が浮き彫りとなれば、それをうまく活用しない手はない。積極的に攻める中国人と控えめに、慎重に歩む日本人とでは確かに好対照だが、やり方によってはそれこそ補完しあえる関係となれるのではないだろうか。