7月の研究会にちなんで 「そもそも銀聯カードって何?」にお答えします!

                              姫田 小夏

 赤、紺、緑の3色重ねに白抜きで「Union Pay 中国銀聯」--。銀座の百貨店、新宿の家電量販店、上野のジュエリーショップなど、およそ中国人訪日客が行くであろう小売店には、このシールが貼られています。ご存知の方も多いと思います。これが「銀聯カードが使える店」のサインなのです。

 店内の専用POS端末に、銀聯カードを通すと利用代金が中国の自分の口座から落ちる・・・。このカードは手数料もなく、中国人にとってはお財布そのもの。外貨持ち出しの上限に縛られず、中国での預金残高を上限に欲しいものをゲットできる“魔法のカード”と言っても過言ではありません。

 

 中国銀聯とは何?そんな疑問も湧いてきます。中国銀聯とは中国人民銀行が02年に設立した金融サービス機関。銀行間接続ネットワークを運営する会社で、異なる省、異なる銀行間の決済をスムーズにさせるための機能を全国に導入することを目的に発足したのです。

 

 一方、デビットカードとしての機能も併せ持っており、02年の導入後、瞬く間に中国全土に普及。今やその発行枚数は世界中で使えるクレジットカードブランドとして人気が高いVISAカードを超え、40億枚以上と言われています

 

 なぜ、これほど加速度的にネットワークを広げることができたのでしょうか。その背景には2000年以降の外貨準備高の急増があります。

 

 90年代前半は100億ドル台で推移していた外貨準備高も、2009年には2兆ドルを超すほどに。政策も変わり、「もうドルはいらない」とばかりに、中国市民に対しても海外での消費を奨励するようになったのです。同時に、中国人が海外渡航する際に持ち出すことのできる外貨も5万ドルまで拡大しました。

 

 しかも、銀聯カードさえあれば海外での買い物は実質青天井。クレジットカードは利用限度額に拘束されますが、銀聯カードは預金残高まで使えるという利点もあるのです。「中国人セレブが何百万円の高級腕時計を買った」というのは、“都市伝説”でも“マスコミの暴走”でもなく、この銀聯カードが可能にするシナリオ、というわけなのです。

 

 今回は中国独特のカード「銀聯カード」についてさまざまな角度から疑問をぶつけてみたいと思います。インバンドビジネスに関係される方もあるいはそうでない方も、この銀聯カードに注目してみませんか。