2012年11月27日「中国からバングラデシュへ」 セミナー開催しました

ソーシャルビジネスから見たバングラデシュという市場

 チャイナ・ビズ・フォーラム(CbF)は11月27日、「中国からバングラデシュへ」をテーマに研究会を行いました。アジアの金持ち大国中国と、その対極のアジア最貧国バングラデシュ。今回は首都ダッカからバングラビジネスパートナーズ代表の岡崎透氏をお招きし、バングラデシュ・ビジネス最前線のホットなお話を伺いました。

岡崎氏は日本企業とのビジネスマッチングに尽力される若手企業家、「ソーシャルビジネス」の視点も加え、バングラデシュ・ビジネスの着眼点、貧困層向けビジネスの意義などの報告と問題提起を行いました。

世界7位の人口(1.6億人)と人口密度が世界最高(都市国家を除く)の大きな市場。

6%台の安定成長、アジア最低の賃金水準、都市の不動産価格は急上昇中。

政府には汚職が蔓延、政策への国民の信頼性が低い。軍も強くない。

外資と地場財閥企業中心の経済構造。華僑や世界的大企業が少なく競争条件が緩い。

  財閥企業はクリーン。財閥2世 は欧米経験が多い。

ファッション産業が先行進出(2001ZARA,H&M,2008年ユニクロ)、輸出拡大を牽引。

貧困層向けビジネス(マイクロファイナンス等)成功の秘訣は、農村部の女性が顧客。

日本の若者による「社会起業家」ブームとマッチし、バングラデシュで貧困層向け社会貢献的

  ビジネス(ソーシャルビジネス)の可能性がある。
 上記講演後は、「アフリカほどではないが最貧国でビジネスは成立するのか」「治安は良いか」「汚職にまきこまれないか」「利益送金は可能か」「イスラム社会での女性優位の理由」など、異なる視点や異なる好奇心からの疑問や意見交換が深更まで続きました。

 利益と社会貢献を生む、バングラデシュの貧困層向けビジネス・モデルは、次世代のみならず現役企業人にも多くの示唆を与えています。CbFは、中国に次ぐ事業拠点として、社会貢献にもつながる可能性を秘めたバングラデシュとそのビジネス展開を、中国の動きとともに追求していきたいと思います。

 

2012年10月2日 CbF緊急セミナー 「反日デモと今後の日中関係」を開催しました

 

チャイナ・ビズ・フォーラム(CbF)は10月2日夜、一時帰国中のCbF代表姫田小夏を講師に、緊急セミナー「反日デモと今後の日中関係」を代々木八幡のエスカレラで開催いたしました。また、セミナー後半では、姫田小夏の新著「中国で勝てる中小企業の人材戦略」を紹介させていただきました。


 日中国交正常化40周年の9月、中国では日本の「尖閣国有化」を巡り反日暴動・ストが多発し、日中関係は最悪の事態に陥りました。姫田小夏は、「反日デモは半官製。参加者は地方出身の低賃金労働者中心。政府の複合的・重層的な対日制裁が続き、短期間の刷り込みで中国は変わった。 国有化宣言が日本人のブランド力(約束を守るなどの信用力)を毀損し、日中関係修復は見通し難」と現地の空気を伝えるべく、基調報告を行いました。この後、参加者からは「反日暴動はむしろ中国の経済損失の引き金を引いてしまった。中国はこれからが大変なのでは」「反日感情の高まりは一時的。一般中国人はすぐに忘れるだろう」などの意見が続きました。また、「尖閣諸島をどうしたらよいか、日中関係の新しいキーワードはあるか」(姫田の問題提起)については、「戦後の日米プロレスのように日中芸人コラボで本音をぶつけ合うのはどうか」「中国人は実利的、日本ファンも多い。日本は敏感に対応せず尖閣問題は先送りを」「日本企業が多い大連でデモは皆無。日本人がもっと胸襟を開けば相互理解は進む」「愛国教育で洗脳された中国人の対日観を変えるのはむずかしい」「地方の若者の対日認識ギャップ解消のための交流が必要」など建設的な意見・提案が述べられ、懇親は深更まで続きました。「どんな逆境においても前向きな発言者が多いのでびっくり。姫田自身が新たなパワーをもらった」と主催者も驚く活況ぶりでした。今後、どんなキーワードをもって日中関係を修復に向かわせ、その関係を維持するのかCbFは、この問題提起に対する解答探しを次回以降も続けていきたいと思います。

 

参加者からのコメントが寄せられました「 Voices

2012年7月7日 CbFセミナー 「グローバル人材の育成と中国語」を開催

 

 チャイナ・ビズ・フォーラム(CbF)は7月7日夜、「中国語教育とグローバル社会」をテーマに研究会を代々木八幡のエスカレラで開催いたしました。日本企業の中国進出や人的交流の高まりから日本人の中国語学習者は2百万人を超えています。研究会では、CbF代表姫田小夏が、中国語学習環境、上海ビジネス現場の実態、韓国人の国際感覚、人の現地化などについて基調報告と問題提起を行い、この後参加者より自己紹介をかねて体験談が紹介されました。中国語教員、大学院生、在日中国企業駐在員、コンサルタント、エコノミスト、TV番組制作者、新聞記者らが夫々の中国語との関りの体験を語り、日本の中国語教育の問題点が浮き彫りにされました。

①日本の語学教育とビジネスで求める語学水準の乖離は大きい。
②中国、韓国では国、企業が国策、ビジネス戦略として語学スペシャリストを養成し活用する。中華圏のシンガポールでも改めて中国語教育に注力。
③日本は大学の中国語熱が低く、中国語学習者の能力を伸ばせない。企業も配属ローテーションの一貫として語学を習得させ、外国勤務も短期。
④企業の「国内人材・内需」重視が長期化し、「海外戦略・人材養成」の遅れが影響している。
⑤少子化から経営難の大学に中国語教育の多くは期待できない。

次世代を育てる教育者と経済活動を担う企業関係者の熱い対話により問題意識が共有され、続きは来年の七夕までは待ちきれない雰囲気でした。上記問題点の解決方法を探る集いを、早い機会にご案内したいと思います。

 

2012年5月8日 「インバウンドビジネスを考える」研究会を開催しました

 

インバウンドビジネスに「日中つなぎ役」となるプレーヤーが重要

 昨年3月の大震災で落ち込んだ中国人ツアーは昨年10月以降回復、今年の春は「お花見ツアー」で盛り上がるなど、再び「インバウンドビジネス」に注目が集まっています。チャイナ・ビズ・フォーラム(CbF)の5月の研究会は「インバウンドビジネスを考える」をテーマに、58日夜、「エスカレラ」(渋谷区富ヶ谷)で開催しました。

 中国からの高齢者施設視察ツアーのコーディネーターを務めた姫田小夏CbF代表が、各地での実体験を紹介しながら、旅行に対する中国人の期待と受入れ側の認識のズレ、旅行中の中国人の行動様式、インバウンドビジネス成功の鍵、について語りました。「中国人が見たいもの」と「日本人が見せたいもの」のギャップを埋めるためには、双方の事情に熟知した「つなぎ役」が、ツアー企画段階から必要であることが強調されました。

また、「日本の精神文化に関心の高まりが見られる」、「桜を愛でる習慣が現れつつある」など、最近の動向も紹介。これには参加の中国ビジネスマンも呼応し、中国人の意識や行動原理などを解説するなど、名実共に「生きた交流の場」が実現しました。参加者からは「業界問わず示唆に富む内容だった」との指摘も頂きました。

 CbFはローアングルから、中国人と中国への理解を深め、日中双方に互恵的な日中ビジネスの機会を探る場です。テーマに共感し意欲のある人びとが参加し、毎回活況を呈すると同時に、この場が実際の中国ビジネスを生み出す機会ともなっています。次回も興味のあるテーマを企画しております。ご期待ください。

 

上海発、高齢者施設視察ツアー(2012年4月7日~16日)活発な交流が実現

中国でも早晩迎える高齢社会に向けて、高齢化先進国日本への関心が高まっていることを背景に、チャイナ・ビズ・フォーラムは、中国からの高齢者施設視察ツアーのコーディネートとアテンドを手がけました。

上海発の同ツアーは4月7日から10日間の日程で福岡、神戸、京都、東京の高齢者施設、シンクタンク、大学を訪問しました。

 

福岡では医療都市である久留米市を訪問、ちくぎん地域経済研究所のサポートにより、地元の若手経営者・幸林真市氏が経営する橘福祉会のマ・メゾン湯乃坂の訪問が実現しました。

 

同施設の見学を通して、日本ならではの施設の特徴である「家庭的な温かい雰囲気」を感じ取ると同時に、国からの厳しい基準を満たさなければならないという側面から、事業としての難しさを知るきっかけにもなりました。

 

久留米市にてちくぎん地域研究所と交流会を実施(上) 理学博士の大内田氏による「がんのワクチン療法と九州国際重粒子線がん治療センター」についてのレクチャー(下)

見学の後はちくぎん地域経済研究所を訪れ、「久留米市の産業の特徴と地元の医療事情等について」をテーマに、久留米リサーチパーク理学博士の大内田昭信氏に「がんのワクチン療法と九州国際重粒子線がん治療センター」(佐賀県鳥栖市に建設中)を中心にご解説をしていただきました。この交流会には同パーク・インキュベーションマネージャーの井出徳一郎氏、筑邦銀行ソリューション事業部長の金子末見氏にもご臨席いただきました。中国からの治療にも積極的な同市にとって、こうした交流が次につながることを願ってやみません。

 

 

 

また、神戸では㈱ゲストハウスが運営する高齢者向け賃貸住宅を見学、ちょうどカラオケやマジックショーなどイベントで盛り上がる最中の訪問とあり、ご一行は興奮した様子でシャッターを切っていました。また、㈱アベストコーポレーションの神戸ポートタワーホテルを訪れ、日本でも先駆けといわれる「シルバーホテル」の、内装工事が進むワンフロアを視察しました。

 

京都では同志社大学社会学部社会福祉学科にお邪魔しました。認知症がご専門の山田裕子教授から詳しいレクチャーをいただきました。最近は社会福祉学を日本で学ぶ中国人留学生も増えているようで、同大学院に留学する郭芳さんの発表も拝聴する機会に恵まれました。

 

東京はシニアライフ協会にて活発な交流会が展開しました(詳細は別レポートをご参照)。同協会の平田千元専務理事からは「今後、日本社会は高齢者をもっと積極的に社会参加させ、高齢者の活力を経済に結び付けることが日本の被災地の復興、あるいは町おこしにもつながる」とのスピーチをいただきました。

 

また、ご一行は、同協会の持つ「人材教育プログラム」に大きな関心を示しました。それは、今回、多くの訪問地で「この事業の最大のネックは人材にある」と聞かされていたためです。中国でもこの高齢者向けの施設を事業化するとなれば、人材確保のための、より一層の仕組みづくりが必要となってくるのは必至です。同協会では高齢者にサービスを提供する専門人材育成のためのセミナーや、資格試験制度も設けていることは、大きな参考をもたらしました。

 

最後の訪問地は埼玉県熊谷市のはなぶさ苑でした。理事長の持田英昭氏は「自分の父母を預けられる施設を作ろうとサラリーマンを辞めてこの事業を始めた」と創業当時を振り返りました。創業25年という歴史には同氏の不退転の決意があったからこそ。「企業生命は短命」と言われる中国ですが、ご一行はここに日本の強さを見出したかもしれません。

 

大規模な面開発の同苑では、高齢者が活発に動き回る様子を見学しました。また、苑内に独自通貨が流通していること、自分で積極的に血圧を測ったりすれば「お金を稼げること」、さらにそれを「ルーレットのナンバーに賭けて増やせること」などの工夫には、ご一行も興味津々でした。これらは高齢者の「管理能力」を維持するためにも必要なのだそうです。

 

このたび、チャイナ・ビズ・フォーラムとして、まさに日中の架け橋的な仕事をさせていただいたわけですが、このような有意義な視察が実現したのも、日本側で快く訪問を受け入れ、ご理解を示してくださったみなさまのおかげだと思っております。活動報告の場を借りて御礼を申し上げます。ご協力ありがとうございました。

 

20124月12日 高齢者ビジネス視察団とシニアライフ協会の交流会

 

 412日、チャイナ・ビズ・フォーラム(CbF)は上海から訪日中の高齢者ビジネス事情視察団とシニアライフ協会の交流会を東京で開催しました。シニアライフ協会藤原敏次代表理事の歓迎挨拶の後、平井千元専務理事より協会の活動内容が紹介され、視察団の左井陽団長より「上海の高齢者市場」の報告がありました。この後CbF代表姫田小夏の進行・通訳で、双方から活発な質問と意見交換が行われ相互の理解が深まりました。

 24年で高齢化社会を迎えた日本は、社会保障制度の改革が遅れ多くの問題を抱えていますが、中国の高齢化スピードは世界最速の10年。日本以上に対策が急がれます。上海の高齢化比率は23%に達し、一人っ子政策の影響から独居老人も多く、福祉施設入居は5年待ち状態と深刻です。中国人のシルバー生活は「完美人生(仕事、勉強、遊び)が充実した人生」を求め、団地単位で、あるいは会員制介護施設という形で、また高齢者向け不動産の開発という形で営まれています。季節毎に生活拠点を移す傾向が強く、富裕層には「渡り鳥」的生活の一拠点として日本のシニア施設への関心が高いようです。

 今回の訪日団は上海のビジネススクール在籍者が中心で各人の起業意識も強く、交流会は日本側とのビジネス協力の可能性を探る出発点となりました。CbFは日中ビジネスの架け橋となるべく有意義な催事を今後も行う計画です。

2012年1月24日 ≪『製造力』から『技術力』へと向かう中国最新動向≫ 参加レポート

 

2012年1月24日に張輝講師をお迎えし、≪『製造力』から『技術力』へと向かう中国最新動向≫についての研究会を開催しました。今回は 知財戦略、 技術経営(MOT)、産業クラスター、異文化ビジネスを主な課題として研究を進めている張輝氏がメイン・ゲスト。現場に行って「Face to Face」で事実を捉え、日中間の「WINWIN」の関係を積極的に提案される同氏の考え方は、チャイナビズフォーラムの「ローアングルの視点から、中国と日本を考える」の基本コンセプトにも重なります。さて、今回は参加者から寄せられたレポートで当日の研究会の内容をご紹介したいと思います。

 

脚で集めた情報にこそ価値

会社員・福原政一さん

 

「中国における「技術」の位置づけが変化してきた。『技術を基にした産業をどこまで立ち上げられるか?』ということを、中国を動かす中国人たちが真剣に模索しはじめた」――。

今までと違う中国が、動き出しているとの氏の主張には説得力がありました。中国の企業とどう付き合うか、誰が企業を動かしているか、それは信頼できる企業か、その企業の能力はどの程度か・・・。私も経験した「白酒」による乾杯交流は過去のことになってしまったようです。

 日中の関係、いよいよ「ほんものの時代」がやってくると力説された張氏の主張を

帰宅してから、反芻しています。

  参加者の間でも意見交換は活発で、中国からの出張帰りのA氏は、上海のバンドで体験したビルの谷間から打ち上がる無数の花火を見ての、春節を迎えて沸く街の様子を熱く語ってくれました。中国の協力工場に出張する経営者のB氏は、現地の中国人社員と本音で交流することが大事だとその体験談を披露してくれました。

 個人的な感想ですが、今回のフォーラムに参加して、2つの点で収穫がありました。一つは、中国に関する情報は、そこに住んで、中国の人たちと関わりを持った人でないと分からないことがある。新聞やマスメディアの情報には「?」の部分あり、ということ。張先生の「曇りのない視点」(主宰、姫田さんの言葉から)と、中国と日本をこよなく愛する氏の「足で集めて、明晰な頭脳で分析する」姿勢から発せられるメッセージに、「そうだったのか!」の連発でした。

二つ目は、中国が時々刻と変化している事実。その根底には意思決定の早さがあるようです。

私のように、「中国をちょっぴり知っている」と錯覚している人間にとっても刺激があるものでした。今日の集まりで、「さらに見えてきた中国」があります。


参加者の個人的感想の中に本質あり

会社経営者・Mさん

 

昨今、中国の状況については、各種方法で知ることはできます。その殆どはマクロ経済や軍事情報ですが、ミクロ(個人や町の雰囲気等)的な情報はなかなか聞くことはできません。その意味で、とても貴重なお話を聞ける場であると思っています。

  この会にお集まりの方々は、それぞれにご活躍されておられて、それぞれの中国観をお持ちです。よく中国を例えて「盲人、象をなでる」と言われています。それぞれが持つ感想は、個人的な感想ではありますが、物事の始まりは個人からだと思っていますので、皆さんの感想を聞くことによって流れが見えてくることもありますし、もしかしたらその意見がこれからの流れの発端になるかもしれません。この会はとても参考ですし、貴重な集まりだと思っています。

 

「中国人の気質を学ぶ」

大手メーカー・管理職 Fさん


今回の研究会でお話にあった中国人経営者または、スタッフの貪欲な向上心、すさまじい競争心みたいなものは、東京で仕事をしている私も肌で感じます。のほほんとしている日本人スタッフとは、あきらかにやる気も違うようには見えます。これでは、中国に追い抜かれてしまうな~と思います。

弊社でも、中国人スタッフの誰もが、マーケティングをやりたい、企画をやりたいと言います。「事務方が偉く、ショップの販売スタッフは下」みたいな意識があるようで、国のご両親からも「いつまで販売スタッフやっているか」と聞かれたりするそうです。

 ただ、マーケティングとは、企業が製品やサービスを顧客に向けて流通させることであり、

販売は、最後の顧客接点、マーケティングの重要な一部であると私は思っているので、中国人スタッフのその思考に少し違和感を感じないではいられませんし、同時に日々がんばっている日本人スタッフがちょっと気の毒に思います。

 向上心があると言えばそうなのですが、会社への忠誠心、ブランドへの愛着を抜きに、意外とすぐ転職のため、やめてしまいます。

「そういうものだ」と思って接し、会社の考え方などを伝えていかなければならないんだなと思いますが、複雑な気持ちでもあります。こうした中国人気質などについても、チャイナビズフォーラムとの出会いでかなり学ぶことができており、よかったなと思っています。

 

スタッフより


私たちも参加者のみなさんの視点に多くを学ばせて頂いています。こうしたローアングルな交流が、明日の日中ビジネスのヒントとなることを願ってやみません。引き続き活発な意見交流をよろしくお願い申し上げます。