2015年8月27日、研究会「日本のゴルフツーリズムと中国のゴルフ事情」を開催

 アジア・ビズ・フォーラム(AbF)は8月27日、北海道ゴルフ観光協会理事・日本ゴルフツーリズム推進協会理事の高橋尚子氏をお迎えして、「日本のゴルフツーリズムの今 ~北海道の現場から~」を講演していただき、AbF理事長の姫田小夏が「中国のゴルフ場に異変」と題して、中国ゴルフの最新事情について講演を行いました。

日本ではインバウンド観光の取り組みがようやく浸透してきましたが、日本の2400カ所のゴルフ場では始まったばかりです。そこで先行するのが北海道です。北海道は外国人スキーヤーの誘客で成功体験を持ち、ゴルフも観光資源としての魅力を発揮することが期待されています。高橋講師は、日本のゴルフ市場の概要を語った後、ゴルフと観光をフルスペックで備えた北海道ゴルフ協会の活動や、交流を開始した上海ゴルフ協会の活動など、多彩な切り口で講演していただきました。ゴルフ・インバウンドビジネスの推進には、国別の戦略と質の高い外国人観光客に焦点をあてることが重要と強調されました。

 次に姫田小夏AbF理事長は、30年の歴史をもつ中国のゴルフ場開発と規制、ゴルフを巡る腐敗と国民感情、インバウンドビジネスの視点などについて講演を行いました。70のゴルフ場がある北京では、早くも2004年から開発規制がかけられていますが、地方は住宅と抱き合わせでゴルフ場開発に乗り出すなど「やりたい放題」が見られました。近年では、ゴルフ場開発による環境破壊や水利権問題も発生し、格差社会の中国では一部の国民がゴルフに対する反発を強めています。

ゴルフは英国で生まれ、米国で大衆スポーツとして大きく成長し、アジア新興国にも普及しましたが、いずこも若者のゴルフ離れに悩んでいます。世界の有名ゴルフ場を飛び回る各国の富裕層をターゲットとする、「ゴルフと観光」は日本のインバウンドビジネスの新商品として大いに期待されますが、受入体制などソフト面の改善課題も多いと指摘されました。

2015年6月3日、研究会「中国・豊穣な食の世界」を開催

  アジア・ビズ・フォーラム(AbF)は6月3日、元重慶総領事の瀬野清水(一財)Marching J財団事務局長をお迎えして、「中国・豊穣な食の世界」」を開催しました。

 日本は衣食住、中国は食衣住の順に大切であり、「食べましたか」が挨拶ことばであるように、中国では食事は日本以上に重視されます。瀬野講師には、中国料理の歴史・文化的背景について、会食の意味、食材・調理法の発展、基本マナーなど、エピソードや所以を交えながら多彩な切り口で講演していただきました。

 冒頭で瀬野講師は、「中国が食と健康を大切にするのは、皇帝の健康維持が国の安定に不可欠であったから」と述べ、皇帝の食事と健康状態を管理する料理人と食医の地位が高かったと解説されました。「宰相」、「牛耳る」といった、食事や料理の重要性を表す言葉や、五味のバランスに留意し注文することなど、中国料理の奥深い世界を垣間見ることができました。


2015年4月8日、研究会「中国人の心をつかむビジネスのポイント」を開催

 アジア・ビズ・フォーラム(AbF)は4月8日、作家・ジャーナリストの莫邦富(モー・バンフ)氏をお招きし、「中国人の心をつかむビジネスのポイント」を開催しました。莫邦富講師は、常日頃、日中間に潜在するビジネスチャンスに密着し、さまざまなアイディアや発想のご提言をされています。講演では海外中国人ビジネスマンの実態や、中国観など長年の実体験に基づくお話をいただきました。

 冒頭で莫邦富講師は、「中国語のように四声もなく5つの母音ですべての感情が表せる日本語は素晴らしい」と、文革中に日本語と出会い、日本留学を決意した経緯を語られました。日本をベースに中国人の海外ビジネス取材を中心に、多くの著作が生まれました。天安門事件後の中国の状況に接し、中国への帰国をあきらめ、関心も中国内の産業発展に移り、家電、小売り、自動車企業の取材と進出日本企業への助言で多忙を極めたそうです。

「自分の使命は中国の最前線をいち早く伝えること」と述べ、20年後の日中関係改善を願っていると結ばれました。講演後はいつものように、参加者と講師の間で活発な対話が夜遅くまで続きました。

2015年2月25日、研究会「商社現場から見た日中ビジネスの変遷」を開催

 アジア・ビズ・フォーラム(AbF)は2月25日、藤野中国研究所代表の藤野文晤・元伊藤忠商事(株)常務をお招きし、「商社現場から見た日中ビジネスの変遷」を開催しました。藤野講師は、日中国交正常化の半年前の1971年から伊藤忠商事の中国ビジネスを牽引された、日中民間ビジネスの祖ともいわれる方で、講演では歴代中国指導者評や、中国観など長年の実体験に基づくお話をいただきました。

 冒頭で藤野講師は、安倍政権の対中国スタンスと中国の受け止め方について述べ、党・軍・政府を掌握する習近平主席は、毛沢東、鄧小平に続く「中国近代化の第3世代で『中国の夢』を語る強い指導者」との見解を示しました。巨額の外貨準備と潜在力を背景に、2つのシルクロード計画やアジアインフラ投資銀行設立など、中国の国際社会における進撃は持続するとの見立てです。

年初に、伊藤忠商事とタイのCP(チャロン・ポカパン)が、取引関係の長いCITIC(中国中信集団)へ計1兆2千億円を共同出資すると発表され、伊藤忠商事の大胆な中国ビジネス展開が注目を集めました。藤野講師によると、「3社はグローバルに事業展開する取引仲間」であり、中国が大きく発展した今が、CITICと組んで中国市場を深堀する好機であったようです。冷え切った日中外交の本格的再開は、8月の「安倍談話」待ちの状態ですが、伊藤忠商事のCITICへのメガ出資事業は、日中関係改善に少なからず良い影響を与えるものと期待されます。

2015年1月21日、研究会「中国報道を読み解く」を開催

 アジア・ビズ・フォーラム(AbF)は1月21日、中国事情に詳しい宮川暁人さんを講師にお迎えして、「中国報道を読み解く」をテーマに研究会を開催しました。今年のAbFは、「中国側の歴史認識」を通年のテーマとし、初回は中国メディアの報道を題材に、中国側の報道姿勢や世論の動き、歴史認識を浮き彫りにする狙いで開催しました。

 宮川講師には、党機関紙の人民日報はじめ主要中国語新聞の原文から、最新の興味深い社会問題や習主席の人気、国際問題のトピックスについて、現地報道の目線で解説していただきました。共産主義体制下の中国では、党宣伝部の意思が背景にある「基本姿勢」をはずさない限りにおいての自由闊達な報道もあり、法律関係紙、経済誌、国際問題専門誌、大衆紙が、習近平主席の演説、反腐敗、改革(年金、経済、農村)など多彩なニュースが連日掲載されているようです。また、言論統制が厳しくなったと言われる習政権下においても、ネットニュースなどにおいては、報道内容の広がりと読者の多様な意見紹介も読み取れるようです。制限的ではありますが、メディアが民主化する一面も垣間見られ、「中国のネットニュースは内容が幅広く面白い」所以です。

 依然、日中外交関係の正常化には至っていませんが、外交部の記者会見では日本関連の質問が断トツに多い事実や、「南京大虐殺国家公祭日を法定記念日に制定」の報道など、日中関係の注目度はなお大きいようです。こうした中国報道で「相手国目線」を養うことができれば、日中交流の懐がさらに広がるのではないかと感じました。